#032.うつ病で仕事を辞めたい…退職か休職か迷ったときの判断基準とチェックリスト【ITコンサル時代の体験談】

うつ病で「もう仕事を辞めたい」と感じたとき、退職か休職かどう決めればいいのか。ITコンサル時代に顧客からのパワハラ・モラハラで休職・退職した僕の体験をもとに、「今すぐ辞めないほうがいい理由」「休職のメリット」「退職したほうがいいケース」「傷病手当金のリアル」をチェックリスト形式でまとめました。

1. 「もう無理、仕事を辞めたい」はどこまで来たサイン?

うつ病で仕事を続けていると、「もう無理だ、仕事を辞めたい」と思うタイミングは何度も来ます。

まず確認したいのは、それが

  • ただの「仕事イヤだな」レベルなのか
  • それとも、心身が限界に近づいているサインなのか

という点です。

たとえば、こんな状態が続いていたらかなり危険信号です。

  • 朝、起き上がれず涙が出てくる
  • 通勤や顧客の顔を思い浮かべるだけで動悸・吐き気がする
  • ミスが増え、簡単な判断もできない
  • 休日も仕事のことばかり考えてしまい、全然休めない
  • 「いなくなりたい」「消えたい」と考える時間が増えている

ここまで来ていたら、あなたの根性が足りないのではなく、体と心が「限界だよ」と教えてくれている状態です。

この段階で、「退職か、我慢か」を一人で決めようとすると、ほぼ確実に自分を責めます。

まずは、

ここから始める方が安全です。

診断やチェックリストについては、「#012. うつ病の診断とチェックリスト」でも詳しく書いています。

2. 「即退職」はおすすめしない理由と、傷病手当金のリアル

「もう限界だし、明日会社に退職届出そう」と思ったこと、僕も何度もあります。

ただ、うつ状態のときに勢いで退職を決めるのは、かなりリスキーです。

理由は大きく3つあります。

2-1. 判断力が落ちているから

うつ病のときは、

  • 「全部ダメだ」
  • 「やり直しなんて無理だ」

と、物事を極端にマイナス方向にとらえがちです。

冷静さを失っているタイミングで、人生レベルの決断をするのは正直危険です。

2-2. 会社に在籍しているからこそ使える制度があるから

社会保険に入っていれば、条件を満たすと「傷病手当金」が使えます。

支給額の目安は、休職前1年間の標準報酬月額(ざっくり言うと月給)の約3分の2。1日あたりの金額は、

  • 過去1年間の標準報酬月額の平均
  • それを30日で割る
  • その3分の2を掛ける

という流れで計算されます。

しかも、傷病手当金は「給与」ではなく「給付金」なので、所得税・住民税はかかりません。手取りベースで見ると、額面3分の2以上に感じることもあります。

僕自身、ITコンサル時代に休職したとき、「過去1年間の平均の1か月給与の約2/3」が傷病手当金として支給されました。

おかげで、まったく収入ゼロにはならず、ある程度の生活費は確保できました

傷病手当金については、別記事の
「#025. メンタル不調とお金の不安を減らすために知っておきたい『傷病手当金』と生活費のリアル」
で、より詳しくまとめています。

ただ現実問題として、

  • 傷病手当金の支給開始までに、僕のときは2〜3か月かかった
  • 傷病手当金だけでは足りない月もあり、そのときは両親を頼った

という事情もありました。

「傷病手当金があるから大丈夫!」ではなく、

「ある程度は補填できるけど、それでも収入は減るしタイムラグもある」

ぐらいのイメージでいると、期待しすぎずに済みます。

2-3. 退職後の生活を具体的にイメージできていないことが多いから

「辞めたらスッキリするはず」と思っても、実際には、

  • 生活費(家賃・食費・光熱費)
  • 社会保険料・住民税
  • 再就職までどれくらいかかるかの不確実さ

など、考えることは山ほどあります。

だからこそ、「退職はいつでもできる。今すぐである必要はない」と、一度立ち止まってほしいんです。

3. ITコンサル時代:顧客パワハラで休職を選んだ話

ここからは、僕自身の話です。

ITコンサル時代、ある顧客から露骨なパワハラを受けていました。

  • 会議で人格を否定するような発言を繰り返される
  • ミスではないことまで「お前のせいだ」と責められる
  • メールやチャットでも、モラハラ的な文面が日常化していた

最初は「仕事だから」「顧客だから仕方ない」と自分に言い聞かせていましたが、次第に、

  • 出社前に吐き気がする
  • 電車で涙が止まらなくなる

といった症状が出てきました。

耐えきれなくなり、会社に「顧客からパワハラを受けている」と相談しました。会社は話を聞いてくれて、医師の診断書も出たタイミングで、僕は休職を選びました。

このとき、「まずは退職ではなく休職にした」ことで、

  • 心身をいったんリセットする時間が持てた
  • 傷病手当金が出たので、生活の最低ラインは守れた

という意味で、結果的には良かったと思っています。

休職の流れや、上司への伝え方については、
「#024. うつ病で休職・退職が不安なあなたへ|上司への伝え方と診断書・傷病手当金の話」
でメール文例つきで詳しく書いています。

4. 顧客モラハラを「放置」されたことが、退職の決め手になった

一方で、別の顧客案件ではモラハラが続いていました。

  • 無茶な要求や、理不尽な怒鳴り
  • 人格を否定するような言葉
  • 明らかに相手側に原因があるトラブルでも、僕だけが責められる

このときも、何度も会社に相談しました。しかし、返ってきたのは、

  • 「顧客だからあまり強くは言えない」
  • 「もう少し様子を見てほしい」

といった事実上の放置でした。

この経験が、僕にとって、

  • 「この会社は社員より顧客を優先する」
  • 「ここに居続けても、自分の心は守られない」

と感じる決定打になり、最終的に退職を選ぶきっかけになりました。

ここで僕が学んだのは、

  • どんなに好きな仕事でも
  • どんなに給料が良くても

「自分を守ってくれない職場」と長く付き合うのは、かなり危険ということです。

5. 退職か休職か迷ったときのチェックリスト

最後に、「退職か休職か」で悩んでいるときに、僕ならこう考える…というチェックリストを置いておきます。

5-1. まずは休職寄りで考えたほうがいいケース

  • まだ会社への信頼が完全には切れていない
  • 仕事そのものは嫌いではないが、今は体と心がついていかない
  • 傷病手当金などの制度を使いながら、回復に専念したい

5-2. 退職も真剣に検討したほうがいいケース

  • 顧客・上司・同僚からのハラスメントが続き、会社も繰り返し相談しているのに止める気がない
  • 長時間労働やサービス残業が常態化していて、改善の見込みがない
  • 主治医や家族から「今の職場環境は変えたほうがいい」と言われている
  • 自分の中で「この会社に戻りたい」という気持ちがほぼゼロになっている

まとめ:辞める・辞めないより、まず「自分を守る」

うつ病で「仕事を辞めたい」と感じているとき、僕たちはつい

  • 辞めるか、踏ん張るか

の二択で自分を追い詰めがちです。

でも、本当に大事なのは、

  • まず医師に診てもらい、自分の状態を知ること
  • 休職や傷病手当金など、使える制度で自分を守ること
  • それでも守ってくれない職場なら、「環境を変える」という選択をしていいと認めること

この順番だと思っています。

退職は「逃げ」ではありません。
命と心を守るための、大事な戦略のひとつです。

この記事が、かつての僕のように「うつ病で仕事を辞めたい」と一人で悩んでいる人の、判断材料のひとつになればうれしいです。

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