
うつ病で「もう仕事を辞めたい」と感じたとき、退職か休職かどう決めればいいのか。ITコンサル時代に顧客からのパワハラ・モラハラで休職・退職した僕の体験をもとに、「今すぐ辞めないほうがいい理由」、「休職のメリット」、「退職したほうがいいケース」、「傷病手当金のリアル」をチェックリスト形式でまとめました。
- 1. 「もう無理、仕事を辞めたい」はどこまで来たサイン?
- 2. 「即退職」はおすすめしない理由と、傷病手当金のリアル
- 3. ITコンサル時代:顧客パワハラで休職を選んだ話
- 4. 顧客モラハラを「放置」されたことが、退職の決め手になった
- 5. 退職か休職か迷ったときのチェックリスト
- まとめ:辞める・辞めないより、まず「自分を守る」
1. 「もう無理、仕事を辞めたい」はどこまで来たサイン?
うつ病で仕事を続けていると、「もう無理だ、仕事を辞めたい」と思うタイミングは何度も来ます。
まず確認したいのは、それが
- ただの「仕事イヤだな」レベルなのか
- それとも、心身が限界に近づいているサインなのか
という点です。
たとえば、こんな状態が続いていたらかなり危険信号です。
- 朝、起き上がれず涙が出てくる
- 通勤や顧客の顔を思い浮かべるだけで動悸・吐き気がする
- ミスが増え、簡単な判断もできない
- 休日も仕事のことばかり考えてしまい、全然休めない
- 「いなくなりたい」「消えたい」と考える時間が増えている
ここまで来ていたら、あなたの根性が足りないのではなく、体と心が「限界だよ」と教えてくれている状態です。
この段階で、「退職か、我慢か」を一人で決めようとすると、ほぼ確実に自分を責めます。
まずは、
- 心療内科・メンタルクリニックを受診する
- 医師に今の仕事の状況を正直に話して、続けられる状態か意見を聞く
ここから始める方が安全です。
診断やチェックリストについては、「#012. うつ病の診断とチェックリスト」でも詳しく書いています。
2. 「即退職」はおすすめしない理由と、傷病手当金のリアル
「もう限界だし、明日会社に退職届出そう」と思ったこと、僕も何度もあります。
ただ、うつ状態のときに勢いで退職を決めるのは、かなりリスキーです。
理由は大きく3つあります。
2-1. 判断力が落ちているから
うつ病のときは、
- 「全部ダメだ」
- 「やり直しなんて無理だ」
と、物事を極端にマイナス方向にとらえがちです。
冷静さを失っているタイミングで、人生レベルの決断をするのは正直危険です。
2-2. 会社に在籍しているからこそ使える制度があるから
社会保険に入っていれば、条件を満たすと「傷病手当金」が使えます。
支給額の目安は、休職前1年間の標準報酬月額(ざっくり言うと月給)の約3分の2。1日あたりの金額は、
- 過去1年間の標準報酬月額の平均
- それを30日で割る
- その3分の2を掛ける
という流れで計算されます。
しかも、傷病手当金は「給与」ではなく「給付金」なので、所得税・住民税はかかりません。手取りベースで見ると、額面3分の2以上に感じることもあります。
僕自身、ITコンサル時代に休職したとき、「過去1年間の平均の1か月給与の約2/3」が傷病手当金として支給されました。
おかげで、まったく収入ゼロにはならず、ある程度の生活費は確保できました。
傷病手当金については、別記事の
「#025. メンタル不調とお金の不安を減らすために知っておきたい『傷病手当金』と生活費のリアル」
で、より詳しくまとめています。
ただ現実問題として、
- 傷病手当金の支給開始までに、僕のときは2〜3か月かかった
- 傷病手当金だけでは足りない月もあり、そのときは両親を頼った
という事情もありました。
「傷病手当金があるから大丈夫!」ではなく、
「ある程度は補填できるけど、それでも収入は減るしタイムラグもある」
ぐらいのイメージでいると、期待しすぎずに済みます。
2-3. 退職後の生活を具体的にイメージできていないことが多いから
「辞めたらスッキリするはず」と思っても、実際には、
- 生活費(家賃・食費・光熱費)
- 社会保険料・住民税
- 再就職までどれくらいかかるかの不確実さ
など、考えることは山ほどあります。
だからこそ、「退職はいつでもできる。今すぐである必要はない」と、一度立ち止まってほしいんです。
3. ITコンサル時代:顧客パワハラで休職を選んだ話
ここからは、僕自身の話です。
ITコンサル時代、ある顧客から露骨なパワハラを受けていました。
- 会議で人格を否定するような発言を繰り返される
- ミスではないことまで「お前のせいだ」と責められる
- メールやチャットでも、モラハラ的な文面が日常化していた
最初は「仕事だから」「顧客だから仕方ない」と自分に言い聞かせていましたが、次第に、
- 出社前に吐き気がする
- 電車で涙が止まらなくなる
といった症状が出てきました。
耐えきれなくなり、会社に「顧客からパワハラを受けている」と相談しました。会社は話を聞いてくれて、医師の診断書も出たタイミングで、僕は休職を選びました。
このとき、「まずは退職ではなく休職にした」ことで、
- 心身をいったんリセットする時間が持てた
- 傷病手当金が出たので、生活の最低ラインは守れた
という意味で、結果的には良かったと思っています。
休職の流れや、上司への伝え方については、
「#024. うつ病で休職・退職が不安なあなたへ|上司への伝え方と診断書・傷病手当金の話」
でメール文例つきで詳しく書いています。
4. 顧客モラハラを「放置」されたことが、退職の決め手になった
一方で、別の顧客案件ではモラハラが続いていました。
- 無茶な要求や、理不尽な怒鳴り
- 人格を否定するような言葉
- 明らかに相手側に原因があるトラブルでも、僕だけが責められる
このときも、何度も会社に相談しました。しかし、返ってきたのは、
- 「顧客だからあまり強くは言えない」
- 「もう少し様子を見てほしい」
といった事実上の放置でした。
この経験が、僕にとって、
- 「この会社は社員より顧客を優先する」
- 「ここに居続けても、自分の心は守られない」
と感じる決定打になり、最終的に退職を選ぶきっかけになりました。
ここで僕が学んだのは、
- どんなに好きな仕事でも
- どんなに給料が良くても
「自分を守ってくれない職場」と長く付き合うのは、かなり危険ということです。
5. 退職か休職か迷ったときのチェックリスト
最後に、「退職か休職か」で悩んでいるときに、僕ならこう考える…というチェックリストを置いておきます。
5-1. まずは休職寄りで考えたほうがいいケース
- まだ会社への信頼が完全には切れていない
- 仕事そのものは嫌いではないが、今は体と心がついていかない
- 傷病手当金などの制度を使いながら、回復に専念したい
5-2. 退職も真剣に検討したほうがいいケース
- 顧客・上司・同僚からのハラスメントが続き、会社も繰り返し相談しているのに止める気がない
- 長時間労働やサービス残業が常態化していて、改善の見込みがない
- 主治医や家族から「今の職場環境は変えたほうがいい」と言われている
- 自分の中で「この会社に戻りたい」という気持ちがほぼゼロになっている
まとめ:辞める・辞めないより、まず「自分を守る」
うつ病で「仕事を辞めたい」と感じているとき、僕たちはつい
- 辞めるか、踏ん張るか
の二択で自分を追い詰めがちです。
でも、本当に大事なのは、
- まず医師に診てもらい、自分の状態を知ること
- 休職や傷病手当金など、使える制度で自分を守ること
- それでも守ってくれない職場なら、「環境を変える」という選択をしていいと認めること
この順番だと思っています。
退職は「逃げ」ではありません。
命と心を守るための、大事な戦略のひとつです。
この記事が、かつての僕のように「うつ病で仕事を辞めたい」と一人で悩んでいる人の、判断材料のひとつになればうれしいです。
あわせて読みたい関連記事:
- #024. うつ病で休職・退職が不安なあなたへ|上司への伝え方と診断書・傷病手当金の話
- #025. メンタル不調とお金の不安を減らすために知っておきたい「傷病手当金」と生活費のリアル
- #012. うつ病の診断とチェックリスト

- [PR] いざと言うときに備えておいても良いかな!
- [PR] 頑張らずに頼っても良いんじゃないかな!
- [PR] 自分へのご褒美にリフレッシュもありかな!
- [PR] 気分転換に趣味もいいかもね!
- [PR] 転職で環境を変えるのもいいかもね!
- [PR] お金に困ったら。。。
★★★いざと言うときに備えておいても良いかな!★★★
貯金のできない私には保険って助かりました。




★★★頑張らずに頼っても良いんじゃないかな!★★★
宅配などで外に出る機会意を減らして負担芸減してもいいと思います。
カウンセラーなどに相談して、話を聞いてもらうことも、
おいしいものを食べてリフレッシュしても良いんじゃないかな!






★★★自分へのご褒美にリフレッシュもありかな!★★★
心にゆとりが戻せるように自分にご褒美を上げてみてはどうだろう!



★★★気分転換に趣味もいいかもね!★★★
趣味を見つけて何かをやってみるものいいと思う。
今までの趣味に興味がなくなっていても何か体を動かしてみることも楽しみになるかもよ。



★★★転職で環境を変えるのもいいかもね!★★★
心のゆとりを持つには環境を変えることも一つ!
転職や手に仕事をつけて自信を復活させてみてはどうだろうか!





★★★お金に困ったら。。。★★★
絶対に早まっちゃダメ、クレカ・キャッシングを計画的にうまく使って元気になったら一気に返済するのも手だと思うよ!
生活環境を変えて、出費を抑えるのも一つの手だね!

.png)
