#030.うつ病で仕事できないときのお金と生活費|傷病手当金・自立支援・障害年金・生活保護・住宅ローンまとめ

うつ病で仕事ができなくなると、「生活費どうする?」「住宅ローン払えない」「貯金が減っていく…」と、お金の不安で頭がいっぱいになりますよね。この記事は、社会保険に加入している会社員・公務員向けに、「うつ病で仕事できないときのお金・生活費」を守るための制度を要約したものです。傷病手当金で収入の土台をつくり、自立支援医療制度で心療内科・精神科の通院費を抑え、それでも足りないぶんは障害年金・障害者手帳・生活保護・生活困窮者自立支援・住居確保給付金、さらに住宅ローン返済の見直しなどを組み合わせていくイメージです。筆者自身も、うつ病で休職し、傷病手当金や自立支援医療を使いながら、福祉事務所・年金事務所・銀行・親への相談を重ねて、なんとか「うつ病 × お金 × 生活費」の山を越えました。「全部理解したいわけじゃない、今なにから動けばいいかだけ知りたい」という人に向けた、行動のロードマップです。


※注意書き(必読)
本記事は筆者の体験と執筆時点の一般的な情報にもとづいています。
制度の条件・金額・期間、対象となる病名や所得条件、住宅ローンの対応可否などは変わる可能性があります。
また、障害年金には「初診日」「保険料納付」「障害の程度」などの要件があり、生活保護には資産や扶養義務者(親・子どもなど)に関する確認も行われます。
実際の手続きは、必ず健康保険組合・年金事務所・自治体・福祉事務所・銀行などの窓口で最新情報を確認してください。

1.うつ病で仕事できないとき「誰のための記事か」と前提

1.1. 誰向けの記事か

うつ病で仕事が続けられなくなると、真っ先に頭に浮かぶのは
**「この先のお金と生活費、どうする…?」**だと思います。

この記事は、こんな人向けです。

  • うつ病・メンタル不調で仕事を続けるのが難しい/すでに休職している
  • 正社員・公務員など、社会保険(健康保険+厚生年金)に加入している
  • 生活費・住宅ローン・家族の生活が心配で、「お金の制度をざっくり知りたい」

パート・アルバイト・フリーランスの人も参考にはなりますが、傷病手当金など一部の制度は対象外になることがあります。

1.2. この記事で分かること

ここでは、

  • うつ病で仕事できないときに使えそうなお金の制度は何か
  • どの順番で動くか

だけをサクッと把握できるようにまとめます。
細かい条文を覚える必要はありません。「困ったらここに聞けばいい」の道筋だけ持ってもらえればOKです。


2.お金の制度の全体像:うつ病x仕事できないx 生活費(一覧表)

2.1. まずは「どんな手がありそうか」をざっくり把握

細かい条件は後回しで大丈夫です。
ここでは「こんな制度や相談先があるんだな」と地図を頭に入れるぐらいのつもりで眺めてください。

2.2. 公的制度+住宅ローンのざっくり比較表

制度・しくみ何のための制度?ざっくり対象お金のイメージ相談・申請窓口
傷病手当金休職中の収入を一部カバーする社会保険加入の会社員・公務員で、業務外の病気やケガで働けない人給与の約2/3が、同一傷病で通算最長1年6か月健康保険組合・協会けんぽ・社保事務所
自立支援医療(精神通院)心療内科・精神科の通院費を軽くするメンタル疾患で継続通院している人(※一定以上の所得は対象外のことも)通院医療費が原則1割+所得に応じた上限額自治体の福祉窓口
障害年金長期的な収入減を補う初診日・保険料納付・障害の程度の要件を満たし、日常生活・就労に大きな制限がある人障害基礎年金・障害厚生年金として定期支給年金事務所
障害者手帳割引・福祉サービス・就労支援の入口メンタル疾患が長引いている人現金ではないが割引・支援枠が広がる自治体の障害福祉窓口
生活保護最後の安全網として生活を守る所得・資産とも足りない世帯(扶養可能な家族がいるかも含めて判断)生活扶助・住宅扶助などが世帯単位で支給福祉事務所
生活困窮者自立支援・住居確保給付金生活保護の手前で生活と住まいを支える生活は苦しいが生活保護までは…という世帯条件次第で家賃相当額など(原則として大家や不動産会社へ直接支給)自立相談支援窓口
住宅ローン返済条件の見直し家計破綻を防ぐために返済を調整する住宅ローン返済が家計の大きな負担になっている世帯返済期間延長などで月々を軽くできる場合あり(総支払額が増えることも)ローンを組んだ銀行

この地図を前提に、

  • 「今すぐ動くべきこと」
  • 「状況が進んだら考えること」

を分けて見ていきます。


3.まず動く3ステップ:傷病手当金・自立支援・家族への相談

3.1. ステップ1:傷病手当金で「今〜1年半の収入」を見える化

うつ病で仕事ができない正社員なら、最優先で確認したいのが傷病手当金です。
条件を満たすと、「標準報酬日額の3分の2」に相当する額が、同一の病気・ケガについて通算最長1年6か月支給される可能性があります。

ここで大事なのは、

  • 今後1年〜1年半、毎月いくらぐらい入る見込みか
  • そこから逆算して、毎月いくら足りなさそうか

ざっくり数字で把握することです。

やること(難しいことは抜きでOK)

  • 人事か健康保険窓口に、メールか電話で 「うつ病で休職を検討しています。傷病手当金の対象になるか、ざっくり教えてください」
    と聞いてみる
  • 社会保険事務所に電話して、 「この状況だと、だいたい月いくらぐらいになりそうですか?」
    と目安を聞いてみる

完璧な計算はあとでで大丈夫です。
まずは**「毎月これくらい入る」「これくらい足りない」**のイメージを持つことが一歩目です。


3.2. ステップ2:自立支援医療で「通院費が理由で治療をやめない仕組み」をつくる

うつ病は長期戦になりやすく、地味に効いてくるのが通院費と薬代です。
自立支援医療(精神通院)を使うと

  • 対象の病名で継続通院している
  • 指定医療機関・薬局を利用する

などの条件を満たす場合、

  • 自己負担が原則1割
  • 世帯の所得に応じた「月額負担の上限額」が設定

という形で、通院コストを抑えられます。
一定以上の所得がある世帯は対象外になることもあるので、ここは自治体に確認が必要です。

やること

  • 次の診察で主治医に、 「通院費もきついので、自立支援医療って自分は対象になりそうですか?」
    と一言聞く
  • 「使ったほうがいいですね」と言われたら、自治体の福祉窓口で
    • 申請書
    • 必要書類(診断書など)
    • 指定医療機関の扱い
      を確認する

これで、

  • 傷病手当金:収入の柱
  • 自立支援医療:治療を続けるための防御力

という2本の柱が立ち始めます。


3.3. ステップ3:足りない分を家族に正直に相談する

傷病手当金+自立支援医療を使っても、

  • 住宅ローン・家賃
  • 子どもの教育費
  • 食費・光熱費

まで含めると、毎月数万円足りないことは普通にあります。

やること

  • ざっくりでいいので、
    • 「毎月いくら足りないか(例:マイナス3万円)」
    • 「どれくらいの期間しんどそうか(例:半年〜1年)」
      をメモする
  • 親やパートナーに、病状・収入減・使っている制度を説明しつつ、 「立て直すまでの半年だけ、月3万円だけ助けてほしい」
    のように、期間と金額をセットで相談する

恥ずかしさや情けなさは正直ありますが、今を生き延びることのほうが大事です。

もちろん、家族に頼れない事情がある人もいます。
その場合は、後で出てくる福祉事務所や自立相談支援窓口など、血のつながりに関係ない相談先を頼ってOKです。


4.状況が重くなってきたら:障害年金・生活保護・住宅ローン見直し

ここからは、

  • うつ病が長期化している
  • 家計がどう頑張っても赤字
  • 住宅ローンが重くのしかかっている

といった、もう一段ヘビーな状況になってきたときに考える選択肢です。

4.1. 長期戦になりそうなら:障害年金・障害者手帳

「フルタイム復帰のイメージが持てない」「日常生活にもかなり支障がある」という場合は、

  • 障害年金:長期的な収入減を補う制度
  • 障害者手帳:交通機関の割引、税制優遇、福祉サービス・就労支援などの入口

を検討対象に入れておくと安心材料になります。

ただし、障害年金には

  • 初診日がいつどの年金制度に入っていたか
  • 保険料をちゃんと納めてきたか(免除含む)
  • 障害の程度(等級)

などの要件があり、「長くつらい=自動的にもらえる」制度ではありません。

最初の一歩だけでOK

  • 年金事務所に、 「うつ病で長期休職中ですが、自分の状態が障害年金の対象になりそうか相談したい」
    と予約して話を聞く
  • 自治体の障害福祉窓口で、精神障害者保健福祉手帳の等級・必要書類を確認する

ネット検索だけで悩み続けるより、一度窓口で「自分はそもそも対象ゾーンにいるか」をプロと一緒に確認したほうが早いです。


4.2. 家計がどうしても回らないなら:生活保護・生活困窮者自立支援

傷病手当金・自立支援医療・家族の支援を組み合わせても、どう頑張っても毎月マイナスなら、福祉事務所に相談する段階です。

  • 生活保護は
    • 所得
    • 資産(預貯金、車、持ち家など)
    • 親や子どもなど扶養義務者が援助できるか
      を含めて世帯単位で判断されます。

いきなり生活保護の話だけではなく、

  • 生活困窮者自立支援制度(家計相談・就労支援 など)
  • 住居確保給付金(条件次第で、家賃相当額が一定期間支給/原則として大家・不動産業者へ直接振込)

といった「生活保護の手前」で使える選択肢も含めて、一緒に検討してもらえます。

「生活保護を相談したら、その場で強制的に生活保護になる」
というイメージを持っている人も多いですが、実際には「今どれぐらい危険か?」を整理する場だと思ってOKです。


4.3. 住宅ローンが本当にヤバそうなら:延滞前に銀行へ

住宅ローンが家計を圧迫しているなら、延滞する前に ローンを組んだ銀行に正直に相談したほうが、まだ選べる選択肢が多いです。

ケースによりますが、

  • 返済期間の延長
  • 一時的に返済額を下げる
  • 一定期間、利息のみの支払いにする

といった「返済条件の見直し」を提案されることもあります。
その分、将来の総支払額(利息込み)は増えることも多いですが、

「延滞して一気に詰む」のを避けるためのリスク回避策

としては十分検討する価値があります。


5.行動リスト(表)と、今日やること

5.1. 優先度つき 行動リスト(うつ病 × 仕事できない × お金)

優先度やること具体的なアクション窓口・相手
★★★傷病手当金を確認する人事 or 健康保険窓口に「傷病手当金の対象か知りたい」と連絡する人事・健康保険組合・社保事務所
★★★自立支援医療を主治医に相談する次回診察で「自立支援医療を使えますか?」と聞く主治医・自治体の福祉窓口
★★☆家族に一時的な支援を相談する足りない額と期間をざっくり決めて、親やパートナーに正直に話す親・パートナー
★★☆障害年金・障害者手帳を検討する年金事務所と障害福祉窓口で「対象になりそうか」を聞く年金事務所・障害福祉窓口
★★☆家計が限界かどうかを福祉事務所で確認する家計メモを持って福祉事務所へ行き、生活保護・生活困窮者自立支援・住居確保給付金を相談福祉事務所・自立相談支援窓口
★★☆住宅ローンの爆発を防ぐ延滞前に銀行へ連絡し、返済条件の見直しが可能か確認するローンを組んだ銀行
★☆☆一人で抱えない仕組みを作る「本当にヤバくなったら連絡する相手・窓口」を3つメモしておく自分+支えてくれる人たち

5.2. 今日だけは、これだけでOK

最後に、「この記事を閉じる前にやってほしいこと」を2つだけ決めておきます。

  1. スマホのメモに一行書く 「明日、人事(or 健康保険窓口)に傷病手当金のことを聞く」
  2. カレンダーの次回通院予定に追記する 「自立支援医療のことを主治医に聞く」

正直、うつ病の頭で制度を全部理解しろって、かなりのムリゲーだと思います。
ルールを完璧に覚えるより、

「困ったら、どこに何を聞けばいいか」

だけ分かっていれば十分です。

この1本が、「うつ病で仕事ができなくて、お金の不安で頭がパンクしそうになったときに開くメモ」になってくれたらうれしいです。



★★★いざと言うときに備えておいても良いかな!★★★

貯金のできない私には保険って助かりました。


★★★頑張らずに頼っても良いんじゃないかな!★★★

宅配などで外に出る機会意を減らして負担芸減してもいいと思います。

カウンセラーなどに相談して、話を聞いてもらうことも、

おいしいものを食べてリフレッシュしても良いんじゃないかな!


★★★自分へのご褒美にリフレッシュもありかな!★★★

心にゆとりが戻せるように自分にご褒美を上げてみてはどうだろう!


★★★気分転換に趣味もいいかもね!★★★

趣味を見つけて何かをやってみるものいいと思う。

今までの趣味に興味がなくなっていても何か体を動かしてみることも楽しみになるかもよ。


★★★転職で環境を変えるのもいいかもね!★★★

心のゆとりを持つには環境を変えることも一つ!
転職や手に仕事をつけて自信を復活させてみてはどうだろうか!

★★★お金に困ったら。。。★★★

絶対に早まっちゃダメ、クレカをうまく使って元気になったら一気に返済するのも手だと思うよ!

生活環境を変えて、出費を抑えるのも一つの手だね!