#019. 良くなったと思ったのに… “再び落ちる日”との向き合い方

激務による心の限界、ハラスメントによるストレス、そして入社直後の肉体的な病気で入退院を繰り返し、再び抑うつ状態に…。私はこの数年間で何度も「良くなったと思ったのにまた落ちる」という経験をしてきました。そのたびに感じる「自分が弱くなったのではないか」という自責の念や、家族への申し訳なさ、疎遠になってしまうような孤独感。それでも再び働く意欲はあり、内定も決まっています。医師からの就労許可が出れば新しいスタートを切る予定ですが、再発しないかという不安も当然あります。本記事では、そんな私のリアルな経験と、再び落ちてしまったときの向き合い方、気づき、そしてこれからの希望を綴りました。同じ悩みを抱える方に寄り添うための体験記です。

メンタル疾患の回復は「一直線」ではありません。良くなったと思った矢先に突然落ち込むこともあるし、再び動けなくなる日が来ることもあります。私自身、この“波”を何度も経験し、そのたびに心が折れそうになりました。
この記事では、私が経験した再発の背景や、落ちてしまったときにどう気持ちを整理してきたかをまとめています。あなたの苦しさが、少しでも軽くなれば幸いです。

1.激務とハラスメントが引き金になった抑うつ

私が最初に抑うつ状態になったのは、激務が続いていた時期でした。深夜までの作業、徹夜の作業、途切れないプレッシャー、休みの日でさえ頭の中は仕事でいっぱい。睡眠は浅く、体調は悪化し続けているのに、「自分だけ休むわけにはいかない」という責任感が捨てきれず、限界を超えて働き続けてしまいました。その結果、初めての休職を経験しました。

復職後や転職後も状況は改善しませんでした。今度はハラスメント的な言動が増え、心はさらに消耗していきました。指摘を通り越した攻撃的な言葉や理不尽な態度にさらされ、気づけば3度目の抑うつ状態へ。休職を繰り返すたび、「社会人として失格なのでは」「自分だけが弱いのでは」と自分を責める気持ちが強くなりました。
再発するたびに自己肯定感は減っていき、心がどんどん壊れていくような感覚を味わいました。

2.入社後すぐの肉体的な病気と入退院の日々

転職し、「今度こそ頑張ろう」と気持ちを切り替えてスタートした仕事。しかしその直後、突然の体調不良により入院が必要となりました。点滴、絶食。予想外の状況に心が追いつかず、体力も精神力も奪われていきました。

さらに、回復したと思えば再び体調が崩れ、入退院を繰り返すことに。入社直後の長期離脱により、「会社に迷惑をかけている」「信用を失ってしまったのでは」という思いが強くなり、その罪悪感が心をさらに追い詰めていきました。その結果、再び抑うつ状態に悪化し、休職することになりました。
身体の病とメンタル不調が重なると、人は想像以上に早く折れてしまうということを身をもって知りました。

3.自責の念・家族への負担・精神的の弱さを感じた日々

何度も抑うつを繰り返すうちに、「自分の精神力が弱くなったのではないか」と強く感じるようになりました。以前ならできていた仕事が、今では重荷に感じる。ストレス耐性が落ちたように思え、自分がどんどん壊れていくような感覚がありました。

さらに辛かったのは、家族への申し訳なさです。休職や入院で家庭の負担は大きくなり、家事・育児を任せてしまうことが増えました。「家族に迷惑ばかりかけている」「いつか見放されるかもしれない」という不安が常に心にあり、精神的な距離が生まれてしまったと感じる日もありました。

そんな中、医師から「あなたは弱いのではなく、限界まで頑張りすぎるタイプなんです」と言われた言葉が心に残りました。弱くなったのではなく、無理を積み重ねすぎただけ。その一言が、少しだけ自分を許せるきっかけになりました。

4.働きたい気持ちと、再発への不安の間で揺れる現在

現在、私は再び働く意欲を持っています。ありがたいことに新しい会社から内定もいただき、医師から就労可能の判断が出れば、新たなスタートを切る予定です。
しかし、過去の経験から「また落ちてしまうのでは」という再発への不安も大きくあります。

ただ、これまでとは違う点もあります。まず、自分の限界を知ったこと。そして、無理をしすぎる前に気づけるようになったこと。ストレスのサインを見逃さない力が少しずつ身につき、「休むことは悪いことではない」と思えるようになりました。
再発を完全に防ぐことはできなくても、悪化を軽減したり、早めに対処したりする方法は確実に学んできました。これからの仕事は、これらを活かしながら進んでいきたいと思っています。