#040.うつ病で働けなくなったとき、どこで休む?実家・同居・一人暮らしのメリット・デメリット

うつ病で「どこで休むべきか」迷っている人へ。実家療養・家族と同居・別居や一人暮らしなど、うつ病で休職したときの3つの暮らし方を、お金・家事・メンタル・家族関係の4つの軸で比較します。「実家に帰るべきか?このまま家族と暮らすか?一人で休むべきか?」という悩みに、筆者の体験談をまじえながら、今の自分を守るための現実的な選び方を解説します。

INDEX

  1. うつ病で休職したとき、どこで休むかを決める4つの軸
  2. うつ病で働けなくなったときに実家療養するメリット・デメリット
  3. うつ病で休職中も家族と同居するメリット・デメリット
  4. うつ病で一人暮らし・別居して休むメリット・デメリット
  5. うつ病でどこで休むか迷ったときの簡易チェックリスト(表)
  6. お金と手続きのざっくりポイント(詳しい制度は別記事で)
  7. 命の安全と専門家への相談について
  8. まとめ|「一生の決断」じゃなくて「今の自分を守る決断」でいい

1. うつ病で休職したとき、どこで休むかを決める4つの軸

うつ病で休職したからといって、自動的に回復モードに入るわけではありません。仕事のメールは止まっても、家の中で気を張り続けていたり、「家族に迷惑をかけている」と自分を責め続けていると、頭の中はフル稼働のままです。僕も、会社を休んだのにソファに座っているだけで息苦しくて、「働いていたときよりしんどいかもしれない」と感じたことがありました。

そこで大事になるのが「どこで、誰と休むか」です。感情だけで「とりあえず実家」「なんとなくこのまま同居」と決めると、あとからブレやすくなります。この記事では、次の4つの軸で考えていきます。

  • お金:家賃・生活費・実家に入れるお金・交通費はどう変わるか
  • 家事:料理・洗濯・掃除・ゴミ出しをどこまで自分でこなせるか
  • メンタル:安心感と孤独感のバランス、家の空気が自分に与える影響
  • 家族関係:配偶者・子ども・親と、半年〜1年後どうなっていたいか

一時的に環境を変えてみることが、自分や家族との関係を見直すきっかけになることもあります。
この4つを頭の片すみに置きながら、3つのパターンを「自分ならどう感じそうか」で読んでみてください。

2. うつ病で働けなくなったときに実家療養するメリット・デメリット

実家療養は「命と最低限の生活を守るための避難所」になりやすい選択です。

■ こんな感じのリアル

僕が親に「うつ病で働けなくなった」「お金も正直きつい」と打ち明けたとき、正直、胃がキリキリしていました。「甘えだと思われるんじゃないか」「怒られるんじゃないか」と怖かった。でも、返ってきたのは「とりあえず帰ってこい。生きてりゃなんとかなる」という言葉でした。

あのとき、「命と生活をつなぐ場所」としての実家の存在を、はじめてちゃんと実感しました。実家に戻ったことで、今の自分の限界や、ここまで無理してきた働き方を見直すきっかけにもなりました。

■ メリット(避難所としての強さ)

  • ご飯や洗濯を手伝ってもらえて、体力と気力を温存できる
  • 家賃ゼロ/減額で、生活費のプレッシャーが一気に下がる
  • 「一人じゃない」という安心感がある(夜中に体調が悪くなっても、誰かがいる)

■ デメリット(寂しさとモヤモヤ)

  • 親世代の「根性論」や価値観の違いに、地味に傷つくことがある
  • プライバシーや生活リズムが合わず、「楽なはずなのに気を遣ってヘトヘト」になりやすい
  • 長期化すると「いつまでここにいていいんだろう」と焦りが増える
  • 配偶者や子どもと疎遠になり、成長の瞬間に立ち会えない寂しさがジワジワ積もる

■ 向き・不向きの目安

<向きやすい人>

  • 親とそこそこ仲が良く、本音で話せる
  • 今の家賃・生活費が現実的にムリ
  • 一人暮らしだと命の安全が不安なレベル

<しんどくなりやすい人>

  • 親との関係がもともと重い・トラウマがある
  • 「子どものそばにいたい」気持ちが特に強い
  • 自分のペースやプライバシーがないと逆に悪化しやすい

3. うつ病で休職中も家族と同居するメリット・デメリット

同居を続けるのは、「家族のそばにいることを最優先にしつつ、共倒れと戦う選択」です。

■ こんな感じのリアル

僕も、子どもの顔を見ると「まだ父親でいられている」気がして救われる瞬間がありました。一方で、キッチンでくたびれた顔をしているパートナーを見ると、「自分が壊した家庭なんじゃないか」と胸がつぶれそうになったこともあります。同じ家にいるからこそ、「支え」と「プレッシャー」が同時に押し寄せてきます。

■ メリット(つながりを守る強さ)

  • 子どもやパートナーの存在が、回復のモチベーションになる
  • 住所や病院を変えずにすみ、生活の枠組みを維持できる
  • 住宅ローン・家賃の仕組みが変わらないので、手続き面ではシンプル

■ デメリット(共倒れのリスク)

  • あなたが動けない分、配偶者の家事・育児・仕事の負担が爆増する
  • 「親として何もできていない」という自責感で、家の中にいてもしんどくなりがち
  • 家の中でも仕事を思い出し、「休んでいるのか、ただ家にいるだけなのか分からない」感覚になる

■ 向き・不向きの目安

<向きやすい人>

  • 「子どものそばにいたい」が最優先の価値観
  • 配偶者と、家事・お金・気持ちについて話し合う場を持てる
  • 外部の手(宅配弁当・家事代行・実家のサポート)を使うことに抵抗が少ない

<しんどくなりやすい人>

  • 「迷惑をかけたくない」気持ちが強すぎて、何も頼めない
  • 夫婦関係がすでに限界に近く、顔を合わせるだけでつらい
  • 家の中が仕事やハラスメントを思い出す場所になっている

4. うつ病で一人暮らし・別居して休むメリット・デメリット

別居・一人暮らしは、「心の静けさを最優先にするかわりに、お金と孤独のリスクを引き受ける選択」です。

■ こんな感じのリアル

たとえば、マンスリーマンションの小さな部屋で、夜ひとりで天井を見ている時間。誰にも気を遣わなくていいのに、「このまま消えても誰も気づかないんじゃないか」と頭の片隅でよぎる。家族の声が聞こえない静けさが、日によって「救い」にも「底なしの穴」にもなる——そんな揺れ方をします。

ただ、家族から離れた場所で一人になることで、「自分はどれだけ無理していたのか」「何を大事にしたいのか」を考えざるをえなくなり、自分や家族との付き合い方を見直すきっかけになった面もありました。

■ メリット(静けさと自由)

  • 物理的に環境をガラッと変えられ、家族の視線や物音から離れられる
  • 生活リズムを自分のペースに合わせやすい
  • 家族と距離を置くことで、関係を冷静に見つめ直せることもある

■ デメリット(お金と孤独)

  • 家賃・生活費・初期費用など、お金の負担が大きい
  • 料理・洗濯・掃除をすべて自分でこなす必要があり、体力・気力がギリギリだと回らない
  • 夜や体調が悪い日に、「自分は誰にも必要とされていない」と感じやすい

■ 向き・不向きの目安

<向きやすい人>

  • 「このままここにいたら壊れそう」と感じるくらい、家庭の空気が重い
  • 一人の時間がもともと好きで、定期的に人と連絡が取れる
  • ある程度の貯金や、家賃を払うめどが立っている

<しんどくなりやすい人>

  • 一人でいると、死にたい気持ちが一気に強くなる
  • 家事がまったく回らず、汚部屋になると余計つらくなるタイプ
  • 「孤独」が何よりの苦手ポイント

5. うつ病でどこで休むか迷ったときの簡易チェックリスト(表)

ざっくり自分の傾向を掴むために、チェック項目を表にしました。
「一番しっくり来る列」に○をつけていくイメージで見てもらえればOKです。

チェック項目 実家寄りのサイン 同居寄りのサイン 別居・一人暮らし寄りのサイン
一人でいると、死にたい気持ちが強くなりやすい 家族や誰かのそばにいた方が安全 家族の気配がある方が落ち着く 一人は危険なので、別居は慎重に
今の家賃・生活費は、このままだと数ヶ月で詰みそう 実家で固定費を下げたい 同居のまま固定費を見直したい 高めのハードル(貯金がないとキツい)
親と本音で話せるし、多少ぶつかっても修復できる 実家療養の現実的な候補になる 必須条件ではない 実家より別拠点での生活を考えたい
子どもの顔を見ると「生きなきゃ」と思える 離れる寂しさがかなり大きくなりそう 子どものそばにいることが支えになる 別居すると後悔が強くなりやすい
パートナーの顔を見るだけで、胃がキュッとなる 実家か別居で距離を取りたいかも 同居継続はかなりしんどい可能性 別居・一時避難を真剣に検討したい
家事を最低限こなす体力はまだある 実家だと少し“持て余す”かもしれない 家族と分担すれば何とか回せそう 一人暮らしでもギリギリやっていける可能性
誰とも会わない日が続くとメンタルが一気に落ちる 実家や同居など誰かのそばが安心 同居でこまめに会話できる環境が向いていそう 別居するなら、オンラインや電話で人とつながる工夫必須
「このままこの家にいると壊れそう」と感じる 実家か別居など、一時的な避難が必要 同居継続は要注意(環境の見直しが必要) 別居・一人暮らしで環境を変えることも選択肢

全部をキッチリ分類しなくて大丈夫です。「自分の○が多い列はどこかな?」を見るだけでも、まずどのパターンを第一候補にするかのヒントになります。

6. お金と手続きのざっくりポイント(詳しい制度は別記事で)

暮らし方を変えるとき、お金と手続きは避けて通れません。ただ、うつ病の頭で細かい条件を全部追うのはしんどすぎるので、「ここだけ」は押さえようというポイントだけ。

【実家療養の場合】

  • 家賃がゼロ/減るかわりに、「毎月いくら実家に入れるか」を最初に話しておくとモヤモヤが減る
  • 住所変更や健康保険の扱いが変わる場合もあるので、市区町村や健康保険組合の情報をチェック

【同居継続の場合】

  • 住宅ローン・家賃・光熱費・通信費など、毎月の固定費を一度紙に書き出してみる
  • 傷病手当金や各種公的制度でどこまでカバーできるかは、別記事で詳しく整理しておくと◎

【別居・一人暮らしの場合】

  • 家賃+初期費用の見積もりをざっくりでも数字にしてみる
  • マンスリーマンション・シェアハウスなど、初期費用を抑えられる選択肢も検討してみる

共通して言えるのは、「一人で全部調べて決めようとしない」こと。親や配偶者、場合によっては社労士や弁護士などの専門家に一部を丸投げするくらいでちょうどいいです。

7. 命の安全と専門家への相談について

ここまでいろいろ書きましたが、この記事はあくまで一人の当事者の体験と考え方のまとめです。医学的・法律的な判断を代わりにしてくれるものではありません。

特に、

  • 「死にたい」「消えたい」気持ちが強くなっている
  • 自傷行為の衝動がある
  • 一人になると危ないと自分で感じる

こういう場合は、暮らし方の前に命の安全をどう守るかが最優先です。

■ 夜中にしんどくなったときは

「今すぐ苦しくて、とにかく誰かに話を聞いてほしい」「夜中で友だちや家族には連絡しづらい」というときは、

など、今の気持ちをそのまま話していい窓口があります。
番号や受付時間は変わることもあるので、「いのちの電話」やお住まいの自治体名+「心の相談」などで、最新情報もあわせて確認してみてください。

■ 日中に落ち着いて制度やお金の相談をしたいときは

「少し落ち着いている時間帯に、お金や制度、これからの暮らし方を相談したい」というときは、

  • こころの健康相談統一ダイヤル(各都道府県の公的窓口につながる電話)
  • 都道府県の精神保健福祉センターや、保健所・保健センターの相談窓口
  • 働き方や職場のストレスなら、厚労省の「こころの耳」(電話・SNS相談)
  • 傷病手当金・年金・生活保護などは、社労士や弁護士の無料相談

といった、「制度・お金・働き方」に強い窓口もあります。

僕自身、「こんなことで相談していいのかな」と何度も躊躇しましたが、今振り返ると、「少し早すぎるかな?」くらいのタイミングで相談してちょうどよかったと感じています。ひとりで全部抱え込む必要はないです。

8. まとめ|「一生の決断」じゃなくて「今の自分を守る決断」でいい

実家療養、同居継続、別居・一人暮らし——どのパターンにも、いい面とつらい面がセットでついてきます。しかも、そのバランスは人によって、そしてタイミングによっても変わります。

大事なのは、「一度決めたら一生そのまま」と思い込まないこと。

  • 最初の3ヶ月だけ実家で体力を戻す
  • いったん同居でやってみて、それでも共倒れしそうなら別居も検討する
  • 一人暮らしをしながら、定期的に実家や家族と会う

こんなふうに、段階的に変えていく道もあります。実家や別居先など、一時的に環境を変えてみること自体が、「自分は何を大事にしたいのか」を見直す時間になると僕は感じました。

それでも、どうしても夜に気持ちが落ちる日もあると思います。
そんなときは、「夜中にしんどくなったら電話できる場所がある」「日中に制度やお金の相談を聞いてくれる窓口がある」とだけ、どこかにメモしておいてもらえたらうれしいです。

この記事が、「自分はどこで、誰と、どう休みたいんだろう?」を考えるきっかけになればうれしいです。そして、もしお金や家族のしんどさが気になったら、関連する記事も合わせて読んでみてください。全部を一人で抱え込まなくて大丈夫。今のあなたを守るための“ベターな一手”を、一緒に探していきましょう。



★★★いざと言うときに備えておいても良いかな!★★★

貯金のできない私には保険って助かりました。


★★★頑張らずに頼っても良いんじゃないかな!★★★

宅配などで外に出る機会意を減らして負担芸減してもいいと思います。

カウンセラーなどに相談して、話を聞いてもらうことも、

おいしいものを食べてリフレッシュしても良いんじゃないかな!


★★★自分へのご褒美にリフレッシュもありかな!★★★

心にゆとりが戻せるように自分にご褒美を上げてみてはどうだろう!


★★★気分転換に趣味もいいかもね!★★★

趣味を見つけて何かをやってみるものいいと思う。

今までの趣味に興味がなくなっていても何か体を動かしてみることも楽しみになるかもよ。


★★★転職で環境を変えるのもいいかもね!★★★

心のゆとりを持つには環境を変えることも一つ!
転職や手に仕事をつけて自信を復活させてみてはどうだろうか!

★★★お金に困ったら。。。★★★

絶対に早まっちゃダメ、クレカ・キャッシングを計画的にうまく使って元気になったら一気に返済するのも手だと思うよ!

生活環境を変えて、出費を抑えるのも一つの手だね!